OMORIのコンサート行ってきました

こんにちは。友人の紹介で初めてOMORIをプレイしてから1年半ほど経ち、未だこの作品に囚われている黒蜜と申します。

このたび5/5に東京で開催されたOMORIコンサートに参戦してまいりましたので、その感想を書いていきます。

はじめに

このレポにはOMORIの重大なネタバレを含みます。

未プレイの方はこの記事を読み進める前に以下のリンクから購入してください。

 

OMORI ダウンロード版 | My Nintendo Store(マイニンテンドーストア)

switch版はこちら。追加要素があるためこちらの方がおススメかもしれません。

Steam版はこちら。英語版をプレイしやすいのはおそらくSteamの方ではないでしょうか。

コンサート始まり

13:15開場・14:00開演ということで13時半ごろ会場に到着。

物販は開演前・休憩・終演後と3回ありましたが、初回は既に長蛇の列でした。

先着制の中大急ぎで適当にとった座席は2Fの正面席、遠いながらも割と全体が見えるいい席だったと思います。

回りは誰かと一緒に来ている人も多かったみたいですが私は単身でした。

パンフレットにセットリストが掲載されており、見ないのも楽しいだろうな~と思いましたが我慢できずに見ました。一曲一曲があまり長くないぶん演奏される曲の種類が多く、いい意味で裏切られ楽しみになっていました。

コンサート前半

タイトルテーマから始まったコンサート。この作品はタイトルテーマが重要場面で使われているだけに、早速心を動かされている人もいたそうですね。

序盤の曲はピアノが主体な曲が多く、落ち着いた雰囲気で進んでいきました。

By your side.は作中でたびたび流れる印象的な曲ですが、相変わらず緊張を和らげてくれましたね。

続いてOtherworld/イセカイ~スペース元カレ周りの曲たち。

この辺は同じフレーズが複数回使われるライトモティーフが多く、つなぎの上手さに感動しました。

カセットテープの曲はどう演奏されるのかと思っていたらまさかのラジカセで会場でも笑いが起きてました。

 

trouble never/always からyou were wrong. Go back. の流れは原作でもかっこよくて好きだったので、うまいこと再現されててよかったです。

続いて現実世界に舞台を移し、外に出てからオーブリーと会い話すまでの流れが行われます。

It means everything. は激しさと切なさを兼ね備えた個人的にお気に入りの曲だったのですが、オーケストラ公演ということで使われないだろうと思っていました。しかし現実世界のオーブリーのもう一つのテーマ・Leave me alone と、不良仲間なマーベリックのCram it wad をつなげ、オーケストラに並んでエレキギターが荒々しく旋律を奏でてくれました。

この辺の曲は戦闘が長引くことを想定されていないのもあってかかなりループが短いので、繋ぎがスムーズで楽しく聴けました。

再び夢の世界に戻り、スイートハートとダンジョン送り。

このあたりから管楽器が一気に増え、クエストのテーマはサックスがジャジーに奏でていました。オーケストラでスウィングを聴くと思ってなかったので嬉しかったですね。

スイートハート関連はバイオリンが合う曲が多くて聞きごたえがありました。

原曲でもトランペットが印象的なValour against all odds。やはりトランペットが主旋律を華々しく演奏していました。キツそうだった

結婚式のシーンで用いられたのはまさかのオタマトーン、ここでもひと笑い起きてました。

戦闘曲としては屈指の人気を誇るであろうWorld's end valentineですが、シンセから始まり圧巻の演奏でした。原曲だと主旋律の裏で細かい動きをしているパートがありますが、弦がかなりの割合で拾っていて流石だなあと感じました。

ここまでで前半が終了。すでにかなりの満足感でしたがまだ半分。

物販でキーホルダーとポスターを確保し後半戦に臨みます。

後半戦

lost libraryの穏やかなピアノで再び始まりました。

ケルの快活さを表すようなThrifted Tchotchkes、前半の不良メドレーよろしく激しさのあるSwirly 1000xののち、Dear little brother……で雰囲気が一気に落ち着きます。サウンドトラックの順番ほぼそのままですが、緩急が強くて面白いです。

続いてラストリゾート~プルート戦ですが、再びサックスとドラムが大活躍してジャズテイストなメドレーになっています。原曲でアコーディオンだった部分が色々振られていて楽しかったですね(トロンボーンもやってた?たぶん)。

プルートは二曲が両方流される好待遇。グッズも最速で完売していて驚きました。

GOLDENVENGEANCEが先という意外な流れですが、この曲のかっこいいポイントだと思っている裏の打ち込みがしっかり再現されていてよかったです。

続いて海産物コーナー。夢の最後となる場面ですが、正直この後の印象が強すぎて相対的に薄いです(残念)。

Underwater Prom Queensはかなりキャッチーな印象がある曲でオーケストラの演奏がイメージできなかったのですが、さすがに表現が上手いですね。

残すところ三章、まずはブラックスペースの曲たち。

ブラックスペースで流れているwelcome back. は原曲でも妙な音色の楽器が鳴らしていますが、こちらでも不思議な音色の楽器が一つずつひたひたと音を鳴らしていました。

あれは何の楽器なんでしょうか?スチールパンに近い系統に思えましたがあいにくわかりませんでした。

MEWO解剖でおなじみの56-12-2ですが、おどろおどろしいので演奏には入らないと思っていました。しかし弦楽器群によって存外しっくりくる曲になってました。不気味さを覚えつつも美しい演奏で複雑です。

5thは名の通り5thのピチカートが延々と続く曲で、まさにイメージ通りの出力がなされていました。ブラックスペース全般がそうですが、シーンがかなり不気味なので聴くとどうしても身構えてしまいます。

この章のラストなDo you remenber? タイトルとほぼ旋律は同じですがより荘厳に聞こえました。追体験してきた旅も終わりが近づいているのを実感します。

次の章はピッチの低い(ように聞こえた)By your side.からスタート。墓参りとピクニックのあのシーンで泣いたこともあり涙腺にダメージが入りました。

現実の終わり際で流れていたSee you tomorrow. で涙腺が決壊した人もそれなりに見受けられ、私も夕暮れを想起しながら少し目元を潤ませていました。

最終楽章が良すぎる

ついにラスト。旅の終着点は自分や自分の罪と向き合うことですが、その流れを汲みつつ演奏会もフィナーレに向かっていきます。

Title→OMORI→DUETの流れは流石に全員予想していたと思うのですが、ただ流れをなぞるだけでなく想像をはるかに超える原作再現をかましてきました……。

そもそもOMORIの曲は全体を通してバイオリンを使っている曲が極端に少ないため(スイートハート城の一曲を除くと上記の流れのみのはず)、オーケストラで演奏するにあたりそこが明確に違っていました。原作におけるバイオリンの数少ない出番をどう再現するのか?という問いに対し完璧な答えを返してきたと思っています。

コンサートマスターの方が立奏を始めるとスポットがそちらにあたり、TitleからOMORI(・OMORI/ALTER)へと滑らかにつないでいきます。バイオリン独奏からスタートするラスボス曲としてはかなり大人しい一曲ですが、オーケストラという場で演奏されるとその迫力は桁違いでした。空気が一瞬で変わったのがオーケストラ知識の乏しい私にもわかるほどです。原作で形態変化していくように徐々に楽器が増え、盛り上がりが最高潮に達したところでDUETが始まります。

DUETのイントロのピアノで大半の人は涙腺を破壊されたのではないでしょうか?私もそうです。このピアノは何度聞いても感動しますが生演奏されると流石に耐えられませんでした。ここだけでもコンサート代5000円+交通費15000円を費やした価値があったと感じます。

原作通りClean slateやThe truthを経てグッドエンディング曲のGood morningへとつながっていきます。情緒をめちゃくちゃにされたところでアンコールに繋がっていきます。

アンコールと巨大爆弾

アンコールはFlouring with youとBready steady go、どちらもアップテンポで高揚感を高める曲でした。どちらも好きな曲ですが、終盤で気持ちを揺るがされたので温度差で風邪をひきそうでした。後者は原曲で途中にパーカッションソロがありますが、地面を揺るがすように再現されていました。

そしてストーリーのラストでサニーがおもむろに口を開いたように、コンサートマスターの方からお話がなされます。

「OMORI三周年を記念し、フルオーケストラで再び公演をします(要約)」

最後の最後にとんでもない爆弾が投下され、最後の一曲を演奏して幕を閉じました。

あと残っている曲でトリに使えそうなものといえばやはりMy time。

グッドエンドで綺麗に締めた後にバッドエンドの曲を持ってくるのには考えさせられますが、OMORIという作品を代表する曲としてこれ以上ないアンコールだったと思います。DUETがサニーとマリのデュエットであれば、My timeはオモリとマリのデュエットのようなものだと考えているためそこは納得しました。曲中のピチカートが実際になされていてよかったと思います。

アンコールを含めて演奏が終わった後、コンサートマスターの方が一人追加でお辞儀をしていたのが素晴らしい原作再現でした。

総じて

本当に最高のコンサートでした。DVDなりCDなりだして頂ければ直ちに買います。

現地で聴くかかなり悩みましたが、本当に来てよかったです。

次回は11月ということでそれまで頑張って生き延びようと思います。